疑似科学に騙されるな!2
海洋深層水(かいようしんそうすい)
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海の深いところから汲み上げた(太陽光が届かない約200メートル以上の深さ)海水だ。
海洋深層水は、水温が一年中低温かつ一定で太陽光が届かないため、海藻や植物プランクトンの光合成が行われず、窒素やリン、ケイ酸等の無機栄養素がそのまま残っている。
しかも、環境汚染の影響を受けることも少なく、細菌や化学物質に汚染されていない。
そのため、これを健康飲料水として利用するために、神奈川県、静岡県、富山県、高知県、沖縄県の海沿いで、県や市町村、民間企業が汲み上げている。
岩手県宮古市沖や沖縄県糸満市沖では、船で汲み上げている。
この海洋深層水は、クルマエビやサクラマス、アワビ等の養殖実験に使われ、研究されている。
加えて、海洋深層水であると謳った飲料水が販売されている。
確かに、イメージとしては「海水のミネラルが豊富」というのが思い浮かぶが、
実は、これが間違いだ。
海洋深層水は海水なので、そのまま飲むことは不可能だ。
だから、海洋深層水を謳った飲料水は、汲み上げた海洋深層水を『逆浸透膜濾過』という化学処理で脱塩しているのだ。
この処理の際、海洋深層水に含まれるミネラル等の栄養分は除去されてしまうので、ただの水となってしまう。
それでは海洋深層水として販売できないので、脱塩した際にできた濃縮海水や海洋深層水の少量を添加して海洋深層水の飲料水として販売しているのだ。
早い話が、飲料水として販売されている海洋深層水に含まれている栄養分はごくわずかなのだ。
つまり、普通に食事を摂っていれば、改めて海洋深層水を謳った飲料水を飲む必要は無いのだ。
こんな馬鹿げたものに金を使うのは、正に
『無駄遣い』以外の何物でもない。
疑似科学に騙されるな!
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